風になった子ねこ

この秋に生まれた野良の子猫が、畑の木の下で死んだ。
発見した時、小さな身体にはすでに色んな虫が集まっていた。
肋骨が浮き出た脇腹はかすかに息を続け
そして母猫を呼んでいたのか時々甘えた声を出していた。
しかし母猫も、この子はもう助からないと判断したのだろうか。
冷え込んだ夜が明けて木の下を覗いてみると
子猫は昨夜と同じ倒れ方のまま死んでいた。
木から少し離れた場所に、子猫のために穴を掘った。
何かで包んでやろうかとも考えたが
少しでも早く土に帰れる方がいいかなと
結局そのまま埋めることにした。
小さな命のぬけがらを穴に入れ 
その上に大きなイチジクの葉っぱを乗せて
そっと土をかぶせると、強い風が起こった。
『もう寒くも怖くもないよね‥

11月の半ばの、冷たい風だった。

吹き上げられた木の葉が
側の川へゆっくりと舞い落ちて行った。

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