わたしはここで生きている

春は特別な季節だ。

生命力のオンパレードだ。

いつのまにか庭や畑に春が来ていた。

ひとりでひっそりと咲いていた花たちを見て胸がいっぱいになる。

白い水仙の側にしゃがんで香りを嗅ぐと

その濃厚な春の香りと共に、花たちの声が聴こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

わたしはここで生きているの。

冬の間もちゃんと生きていたんだよ。

生きているようには見えなかったかもしれないけど

あなたは、わたしは死んでいたとか消えていたとか思っていたかもしれないけれども

わたしはここで生きていた。生きている。

だから今、わたしは花を咲かせたの。

わたしはここで生きている。

ひとりでも、ここから動くことができなくても

わたしは堂々と生きていることを

あなたに見せるために。

この花が咲き終わったら、あなたはまた

わたしが生きていることを忘れてしまうかもしれないけれど

それでいい。

あなたがわたしのことを忘れたとしても

わたしはここでしっかり生きていく。

そして次の春にはまたきれいな花を咲かせる。

その花を見て、あなたは再びわたしのことを思い出すだろう。

わたしがここで生きていることを思い出すだろう。

 

 

 

 

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裏山に咲く

山の中に水仙が群生している。 ほとんど人が通らない場所なので、多分誰もこの美しい花たちを見ていない。 だからなのか花の精たち、とても伸び伸びとしていて陽気。 自然の中をひとり歩く。 植物の声を聴く。 とても大切なこと。